ウコンの効果と摂取上の注意点について
ウコンはインド原産のショウガ科の植物で、主成分であるクルクミンはポリフェノールの一種です。カレーなどの香辛料のターメリックとして知られ、強い抗酸化作用を持ち、生活習慣病の予防に効果があると言われています。また、肝臓の働きを助け、アルコールなどの負担から肝機能を守る役割もあります。食欲増進、胃液分泌を高めるなどの効果も持ち合わせており、サプリメントやドリンクなどに利用されています。
ウコンの性質と働き
ウコンは世界中で50種類ほどあり、春ウコン、秋ウコン、紫ウコンの3種類が一般的に知られています。
ウコンの主成分には黄色い色素であるクルクミンと精油成分があり、クルクミンはポリフェノールの一種でフェノール酸系のシゲトン類に属します。
クルクミンは抗酸化力が強く、皮膚がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんに対する抑制効果が期待されるという報告があります。消化管においてはテトラヒドロクルクミンという、より強力な抗酸化力を持った物質に変化します。
肝臓の機能が低下するとアルコールの分解能力が低下しますが、クルクミンは肝臓の解毒作用を強める作用があり、二日酔いの予防に役立ちます。
また、クルクミンは胆汁の分泌を促進する働きがあります。胆汁は脂質の消化吸収に需要な役割を持つ胆汁酸が主成分です。胆汁酸を作るにはコレステロールが必要になりますが、胆汁の分泌が促進されるとコレステロールも消費され、体内のコレステロールが減ると考えられます。
精油成分にはα、β-ターメロンがあり、抗酸化作用があるので病理性大腸菌やヘリコバクターピロリ菌などに効果があります。
ウコンには胃の働きを活発にすることで食欲を増進させる効果もあり、胃液の分泌を高め、胃粘膜を保護する働きがあります。
ウコンの摂取と食べ合わせ
決まった摂取量はありませんが、有効成分であるクルクミノイドとして健康保持や疫病予防の目的では30mg程度とされています。サプリメントとして摂取する場合は記載されている摂取量を守りましょう。
ウコンの主成分であるクルクミンはカレーのスパイスとしてだけではなく、植物性の天然色素としてたくあんなどの漬物に利用されています。
クルクミンは水に溶けにくく、油に溶けやすいという性質があるので、油と一緒に調理することで効率よく吸収されます。大豆などに多く含まれるレシチンと一緒に摂取すると小腸から吸収されやすくなるため、豆を使ったカレーは相性が良いと考えられます。
クルクミンはアルコールの分解速度を速めるため、二日酔いの対策として効果的だと考えられていますが、お酒の飲みすぎには注意しましょう。
ウコンの過剰症、欠乏症
普段の食事から摂取する分には過剰摂取による副作用の心配はありません。サプリメントなどから過剰摂取に摂取し続けると、肝臓に負担がかかり肝機能障害を起こす恐れや、下痢などが起こることもあります。
ウコンの成分に対してアレルギー症状や過敏症が現れることがあるので、妊娠中や授乳中の場合は過剰摂取に注意し、主治医に相談しましょう。
肝機能障害がある方にはウコンの大量摂取は危険です。
ウコンは比較的鉄の含有量が多く、ウコンを大量に継続摂取することが原因となり、鉄過剰状態からC型慢性肝炎の症状が悪化する可能性が高いとされています。
ウコンの関連キーワード
ウコンの種類
ウコンには50種類ほどがありますが、一般的に知られているのは春ウコン、秋ウコン、紫ウコンの3種類です。
春ウコン
キョウオウ(姜黄)とも呼ばれ、春ごろにピンクの花を咲かせます。
春ウコンにはクルクミンは少量含まれ、精油成分を多く含んでいます。100種以上もの有効成分が含まれ、殺菌作用を持つシネオール、強心作用を持つカンファー、抗炎症作用を持つアズレンなどがあります。
これらの成分の働きで、血圧低下、コレステロールを分解する効果、腸に刺激をあたえ、お腹の調子を整える効果があります。
秋ウコン
ウッチン(鬱金)と呼ばれ、初夏から秋にかけて白い花を咲かせます。根茎の断面がオレンジ色をしているのが特徴で、他のウコンと比べるとクルクミンが最も多く含まれています。
色素成分のクルクミンが多く含まれていることから、カレー粉やたくあんなど食品の着色に利用されるほか、染料としても用いられます。
胆汁の分泌を促進し、解毒効果を発揮して肝機能を高める働きがあります。
紫ウコン
ガジュツとも呼ばれます。初夏にピンクの花を咲かせ断面が紫色をしているのが特徴で、黄色の色素成分であるクルクミンはほとんど含まれていません。
春ウコンと同様にシネオール、カンファー、アズレンなどの精油成分を多く含み、胃潰瘍の原因とも言われるヘリコバクターピロリ菌を除去する効能があると言われ、健胃薬として利用されています。
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