疲労・疲れやすい人の食事対策

現代社会では多くの人が疲れを感じて生活をしていると言われています。ビタミンやミネラルをしっかり取り、バランスの取れた食事を取ることで疲れ知らずの身体をつくり、疲労に負けないようにしましょう。

疲労・疲れやすい人の症状

原因となる病気はないのに、肩こり、腰痛や食欲不振、倦怠感などの身体症状や、集中力ややる気の低下などの精神症状がでます。

疲労は十分な休養をとれば回復しますが、それでも回復しない疲労は慢性疲労と呼ばれています。疲労感が続き、やる気がでない、肩こり、腰痛、寝起きが悪いあるいは起きれないなどの症状があります。

また、慢性疲労が半年以上続くと慢性疲労症候群という病気の可能性もあります。微熱、原因不明の疲労感、筋肉痛、気分障害などの症状がでますが、まだその原因が明らかになっていません。自然治癒は難しく、薬物療法を中心に治療を続ける必要があります。

疲労・疲れやすい人の原因

栄養バランスの乱れ

朝食を抜いたり、食事を軽く済ませることで身体活動にあったエネルギーが不足すると疲れを感じます。また、エネルギーが足りていてもビタミンやミネラルなどが不足していると代謝が低下し疲労物質が蓄積してしまいます。

ストレス

ストレスを感じている時は交感神経が優位に働き常に戦闘態勢の状態となってしまい、自立神経のバランスが乱れてしまいます。そのため、休息時に十分にリラックスができず疲労感が残ります。

不規則な生活・睡眠不足

睡眠中はストレスホルモンの分泌が低下し、疲労回復やストレス解消に働きます。睡眠時間が足りていなかったり、睡眠の質が良くないと十分な疲労回復が出来ずに疲労がたまっていってしまいます。

疲労・疲れやすい人の対策

主菜

豚肉

疲労回復のビタミンとも呼ばれるビタミンB1を多く含む豚肉を摂取しましょう。
ビタミンB1は生活に必要なエネルギーを食べ物から産生する際に必要なビタミンで、不足するとエネルギーが産生されず倦怠感を感じます。また、激しい運動をした際は疲労物質である乳酸が作られ、体内に蓄積され疲労の原因となります。ビタミンB1は乳酸を分解する手助けをします。

ただし、豚肉を食べ過ぎてしまうとピルビン酸が増えて乳酸がたまってしまうので注意が必要です。ピルビン酸をクエン酸に変えてくれるクエン酸を一緒に摂取するといいでしょう。クエン酸は、レモン、梅干し、酢に多く含まれます。酢豚や梅肉巻き、冷しゃぶにレモンやポン酢を添えて食べるといいでしょう。

鶏肉

アミノ酸の一種であるイミダペプチドは、疲労の原因となる活性酸素を除去し細胞の酸化を防ぐことで体、を疲れにくくさせ、疲れを回復しやすくなる効果があります。鶏むね肉に多く含まれ、1日100gを継続して食べることで疲労回復効果が期待できます。
その他イミダペプチドを多く含む食品:豚もも肉、牛もも肉、カツオ、マグロ

副菜

アリシン

ビタミンB1と結びつき疲労回復の効果を持続させる働きがあるため、ビタミンB1を含む食品と一緒に摂取しましょう。
アリシンを多く含む食品:にんにく、にら、玉ねぎ、ねぎ

その他注意点

・コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは即効性が高く、やる気を起こさせるドーパミンが増加するため、一時的に疲労は回復したように感じますが、長期的に続く疲労は解消することができません。ストレスホルモンを増加させたり、疲労を回復させる睡眠への影響もあるので摂取量には気をつけましょう。


・疲れている時は血糖が不足しているため脳はブドウ糖を求め甘いものが食べたくなります。脳のエネルギー源はブドウ糖のみで体内に貯蔵することができないので、脳の疲れを取るには適度の糖分が必要です。

 ただし、糖分の摂り過ぎは血糖値を急上昇させその後急低下するため、疲れやすくなる可能性があります。また、糖分をエネルギーにするために大量のビタミンB1を使用するため、体内のビタミンB1が不足し疲労感が増してしまうこともあるので、食べ過ぎには注意しましょう。

関連リンク

・ビタミンB1
・タンパク質(アミノ酸)
・カフェイン
・クエン酸



この記事を書いた人
ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。

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